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酒の神様

1994年12月


酒の神様といえば、どなたも知っているように、京都の松尾神社でしょう。私共は「松尾様」と呼んでいます。

松尾神社は古く奈良時代に建立され、何百年も前から酒の関係者の、深い信仰の対象とされている神社です。近頃は神様の守備範囲もかつてより広がったものらしく、酒類業関係の人々の尊崇だけでなく、京都の祇園の人々を始めとして関西地方の水商売や料飲店関係の人々も、松尾様を信仰し参拝にいく人が大変多いと聞きます。

松尾神社は、苔寺で有名な西芳寺のすぐ近くにありますので、京都へ行かれ、苔寺まで行かれた折には是非とも参拝してください。

佐久酒造協会では、昭和十年に佐久の酒の大発展を祈念して、松尾様の分祠を勧請して臼田町の稲荷山に奉安しました。その後、佐久酒造組合の会館を昭和三十二年に岩村田の税務署の近く、現在の場所に新築した後、臼田町の公園計画により神社の移転が要請されました。そこで、昭和三十九年に佐久酒造協会の敷地内に遷宮し、現在の信州佐久松尾神社として崇拝されています。その際、松尾様の前に大きな蓼科石に彫られた牧水の歌碑が建てられました。その石碑は、当社の前社長、故武重孝一が立科町の元の土屋町長の協力を得て、特別に国有林の中の名石を払い下げてもらって運び込み、そこに当社の所有する牧水の書を刻んだもので、当社の門前の牧水の碑の兄弟分といえるものです。

武重酒造には、屋敷神と共に、松尾神社より分祠された松尾様が祭られています。

屋敷神の社1屋敷神の社2
屋敷神の社

酒造りが始まる際には、望月の大伴神社の神官を招いて祭典をします。従業員の安全と健康、その年の酒造りが無事に進み消費者に喜ばれる良い酒ができる様、そして例年の如く全国の品評会、関東信越国税局の品評会、長野県の研究会にて上位にランクされる様にお祈りをして、その年の酒造りが始まります。

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